野球選手がガムを噛む姿を見たことはありませんか?
最近では多くの野球選手がガム習慣を取り入れています。
リラックスのため?それとも単なる習慣?
ガムを噛むことで集中力を高めたり、緊張を和らげたり、さらにはプレーのパフォーマンス向上にもつながると言われています。
ガムを噛むことで顎の筋肉が鍛えられ、打撃や投球の安定につながり、ある選手にとっては「ゾーンに入る」ための重要なルーティンになっている。
しかし、プロ野球界ではガムを噛むことを禁止している球団も存在します。
では、なぜガムが禁止されるのか?
ガムを噛むことで得られる本当のメリットとは?
野球選手とガムの関係に迫ります。
野球選手がガムを噛む本当の理由
プロ野球の試合を観ていると、ガムで口を尖らさ風船ガムを膨らませている選手をたまに見かけます。
そして、バッターボックスや守備の合間にガムを噛んでいる選手もいます。
「ただのお遊び気分で噛んでいる?」「口寂しさを紛らすために?」と思う方もいるかもしれません。
ある選手は「顎を動かすことで体のリズムを整え、スイングや投球フォームの安定につながる」と語る選手もいます。
単なるクセでも暇つぶしでもない。
野球選手がガムを噛む驚くべき理由とは?
なぜ一流の野球選手たちは、一生懸命ガムを噛むのでしょうか?
顎の筋肉を鍛えると打撃や投球が安定する
野球選手にとって、顎の筋肉など必要ないと思われる方もいるかもしれませんが、もの凄く重要な役割を果たしています。
重さが「141.7g~148.8g」のあの硬球を思い切り、バットで弾き返したり投げたりする訳ですから、奥歯を食い縛る力が必要になります。
ガムを噛むことで顎周りの筋力を鍛え、打撃の安定感とバランスを期待した上での行為とも取れます。
例えば、ボクサーはマウスピースを噛むことで力を込めてパンチを打ち込みます。
それと同じで、野球選手も奥歯でガムを噛み、安定したスイングに投球時のここぞの踏ん張りを利かすための筋力トレーニングとも取れる行為です。
無意識な反射神経を高める
小学生の時にガムを噛みながら勉強した経験はないでしょうか?
何かを食べながら勉強すると、両親に怒られるから経験がないという方もいることでしょう。
しかし、ガムやグミを食べながら勉強すると、勉強が捗ったという方もいるのではないでしょうか?
ガムを噛む動作はリズミカルな運動であり、神経系が刺激され脳を活発化させることで、身体の反応速度が向上すると考えられています。
これは、ピッチャーが打球を素早くキャッチしたり、内野手の素早い反応と判断する時に役立つ可能性を広げます。
ガムを噛みながらプレーすることで、無意識に素早く動くための「準備状態」を作る効果があるとも言われています。
野球選手がガムを噛むルーティンがゾーンに入る
一流のスポーツ選手は、独自のルーティンを持っています。
いつものルーティンが「ゾーン」へと入りやすくする。
例えば、イチロー選手がバッターボックスに立ち、集中力を高める為に、バットをスタンド方向へ向けて腕を伸ばし、袖を捲る動作(ルーティン)を取ります。
これと同じで、ガムを噛むことでリズムを作り、自分のコンディションを整える選手も多くいます。
特にメジャーリーグでは、試合中にガムを噛む選手が多い理由には、自分のリズムや集中力を高める効果を期待しての行為とも言われています。
選手独自のモチベーション向上アイテムを持っているということですね。
ピッチャーの顔の表情を読み取られにくくする
時にピッチャーは、打者に気持ちを読まれないようにする必要があります。
疲れが出てきた時の表情を相手に見せれば、打者にチャンスを与えてしまう可能性を広げます。
また、相手に配球を読まれ、ホームランを打たれてしまうようなことにも。
ガムを噛むことで顔の表情に微妙な動きを作り出し、バッターに情報を与えにくくする作戦的なことを考える投手もいます。
そしてまた、捕手もピッチャーにサインを送る際、口元の動きを相手に読まれないようにするために、ガムを噛んでいます。
特に監督からの指示を伝える時に、口の動きを隠すためにガムを噛んでいる場合もあります。
野球は団体競技でもありますが、個人能力を要する競技です。
ある意味、相手とのダマし合い・駆け引きが時として必要になります。
プロ野球選手がガムを噛むことを禁止にする球団?
日本のプロ野球では、選手が試合中にガムを噛むことを禁止する球団もあります。
これはあまり公にはなっていませんが、暗黙の球団ルール?のようなものなのかもしれません。
ガムを噛みながらプレーする選手が当たり前のメジャーリーグと比べると、日本のプロ野球界ではより厳格なルールや文化が存在する。
数十年前では、どこの球団にもガムを噛んでいる選手はいたようにも感じます。
昨今のプロ野球では、球団により伝統やマナー、メディアに露出する印象などを考えたルールを作っている球団も多いのではないでしょうか。
観客や視聴者への印象の問題
日本のプロ野球では礼儀や品格を重んじる文化が根強く残っています。
それにより、試合中にガムを噛むことが不真面目でだらしないと受け取る人もいるでしょう。
特に、日本のスポーツ界では真剣にプレーする姿勢が重要視される所もあるので、ガムを噛みながらのプレーが「態度が悪い」と誤解されることもあります。
メディアを通じてガムを噛む選手の態度が悪い印象を持たれるのを避けるために、球団側がガムを禁止にしクリーンなイメージを保とうとしている所もあるのかもしれません。
伝統的な野球文化の影響
日本の野球界では、高校野球や大学野球の影響を強く受けています。
特に高校野球では、規律や礼儀を厳しく指導され、ガムを噛むことは許されていない。
甲子園の試合中にガムを噛んでいる高校球児などいません。
このような教育を受けた選手たちがプロに進むのですから、試合中にガムを噛むことは「あり得ない」という価値観が根付きます。
その結果、日本のプロ野球全体としても、ガムを噛む文化が根付かず禁止する流れが続いていると言えるのかもしれません。
スポンサーや球団とのイメージ管理
日本のプロ野球では、球団のイメージ戦略も重要な要素です。
プロ野球選手になった以上、球団のイメージを大事にするのは当然と言えます。
企業がスポンサーとなっている球団では、選手の行動がチーム全体のイメージに影響を与える。
そのため、テレビ中継に映る選手の姿が、企業のブランドイメージを損なわないようにする意識が強いと言えます。
ガムを噛みながらプレーすることが「礼儀を欠いた行動」と受け取られる可能性があるため、球団やスポンサーの意向として、ガムを禁止にしている所もあるのではないでしょうか。
ガムを噛んでプレーする選手より噛まない選手の方が、真面目で良いイメージを与えるのは確かですね。
体調管理の観点からの禁止
意外にも、プロ野球選手の体調管理という点からガムを禁止にする球団もあります。
あなたは、小学生の時にガムを長時間嚙み過ぎ、気持ちが悪くなった経験はないでしょうか?
日本の野球界では食事や口の中の状態がプレーに影響を与えるという考えが根付きつつあり、試合前や試合中の食事管理は厳しくなっています。
ガムを噛むことで唾液の分泌は促されるが、試合中に消化不良や胃もたれにつながる可能性がある。
ナイトゲームの日には、食事のタイミングにズレが生じるので、消化器系への影響を考えてガムを噛まない方が良いとされています。
また、試合中にガムの甘味成分が血糖値の急変を引き起こし、スタミナ管理に影響を与える可能性をも指摘しています。
口にするガムによっては、選手の体に悪影響を与える可能性もありえるということですね。
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